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訃報
2023年4月5日、「ムツゴロウ」の呼び名で親しまれていた、畑正憲さんが死去されました。
87歳でした。
4月8日、フジテレビ系で追悼番組が放映されます。
動物愛好家としては、世界的に著名な畑さんですが、文筆家・映画プロデューサーの他に、麻雀・パチンコ・花札・将棋など、ありとあらゆる勝負事にも秀でた天才であることはご存じでしょうか?
言うなれば、昭和のパスカル、
あるいは、戦後最後の大勝負師です。
「よーし、よし」の言葉で、優しい人のイメージがあるかもしれませんが、
実は荒々しく、破天荒な面も兼ね備えていた方でした。
そんな、畑さんの一面をご紹介し、追悼の気持ちに変えたいと思います。
生きることが大勝負
ここに2冊の本があります。
左は、「ムツゴロウの大勝負・ムツゴロウ麻雀記」1978年8月25日第1刷
右は、「畑正憲の精密麻雀」昭和54年12月25日初版
とあります。
私有本です(フフッ)。
「精密麻雀」の方は、本当に麻雀テクニックに特化した専門書と言っていいものです。
どれだけ麻雀がお好きなのか良くわかりますが、かなり難しいので、
今回はこちらではなく「大勝負」の中からいくつかエピソードをご紹介します。
畑さんは、東京大学修士課程を卒業後、学研に7年間勤めていましたが、この会社員時代、多い月で半チャンを400~500回打ち、月末清算でマイナスになったのは1回だけであると述べています。
会社の給料もボーナスも袋ごと奥さんへ渡していた、すなわち自身の「お小遣い」は賭け麻雀で賄っていた、ということです。
バクチは非決定勝負であり、勝つか負けるか分からないからこそ、そこに賭けが成立するのであって、
常に勝ち続けることは、あり得ないのですが、麻雀に関しては
「見知らぬ人とやる場合、これはまさしく一か八かの賭け事です。けれどもあるきまった群れの中で行う場合には,別の要素、群れの論理が加わって、単なる賭けではなく、運の要素がぐうんと減ってゆくのです。従ってサラリーマンの麻雀は決定勝負へと近づいて、常勝将軍が現れたりします。」
と解説されています。
すなわち、相手の癖や気性を把握し、押すべきところと引くべきところを見極め、
一方相手には、自分は強いぞというイメージを与え、怪しい時には「ゲームを降りる」よう仕向けるのです。
これって、畑さんが動物を相手にしている時と同じですね。
碁や花札などの、麻雀より運の要素が強いゲームでも、畑さんは強かった。
それは、記憶力や、長時間のゲームにも集中力を途切れることなく保ち続ける気力と体力によるものと思われます。
サラリーマンを辞め、文筆業一本で家族を養う決意をし、
更には無人島へ引っ越し、ついにムツゴロウ王国を設立する、
その生き方自体が、バクチのようなもので、奥さまはじめご家族の信頼がなければできなかったことでしょう。
魅力的な人は麻雀が強かった…ように思う
1970~1990年ごろ、麻雀の実況番組がありました。
以下敬称略、大橋巨泉、園山俊二、阿佐田哲也、福地泡介、小池一夫、三好徹、佐藤六郎、五木寛之
など、作家や漫画家、著名芸能人たちと畑さんが、卓を囲んでいたように記憶しています。
そうそうたる顔ぶれで,交わされる会話もユーモアがあって楽しいものでした。
まだ、お元気な方もいらっしゃいますが、他界なさった方の方が多いです。
畑さんを交えて、あの世とやらで再び、麻雀を楽しまれることを願っています。
ご冥福をお祈り申し上げます。