FIP(猫伝染性腹膜炎)治療にはいくらかかる?治療してくれる病院は?

猫の健康

しかし、数年前から未承認ではあるものの、いくつかの治療薬が使用され始め、良い結果が報告されています。

獣医さんたちが、懸命に対応して、治療方法を模索してくださった結果です。

現在、治療薬として挙げられているのは、Xraphconn(ラプコン:元ムティアン)、CFN、GS(GS-44152)、モヌルピラビル、レムデシビルです。

治療してくれる病院

では、どこへ行ったら治療をしてもらえるのでしょうか?

次の章に、対応してくれる動物病院のリンクを、いくつか貼っておきます。

一般には、以下の理由で、抗ウイルス薬を使った治療に対応してくれる病院は少ないかもしれません。

・治療薬として使われている薬は、日本では動物薬として認可されていない。

・薬を入手し難い。

・プロトコル(標準的な治療の流れ)が確立されていない。

・副作用などについて分かっていない。

しかし、飼い主さん自身が薬を輸入するなら対応してくれたり、

症例数の多い病院を紹介してくれたり、するはずです。

ご自宅の近くに対応してくれる病院がみつからない場合も、かかりつけの病院や近くの病院に聞いてみれば、紹介してくれるかもしれません。

獣医さんの横のつながりは意外と広く、情報交換も盛んです。

動物病院リンク(アイウエオ順)

アイビーペットクリニック岐阜県岐阜市北一色

上池台動物病院東京都大田区上家台

北森ペット病院(株式会社房総どうぶつ医学研究所)千葉県茂原市小林

くさか動物病院埼玉県朝霞市北原

クロス動物医療センターグループ東京都足立区栗原 他

さくらペットクリニック広島県東広島市高屋高美が丘

湘北どうぶつ次世代医療センター 高橋動物病院神奈川県大和市下鶴間

西湘動物病院神奈川県中郡二宮町

垂水オアシス動物病院兵庫県神戸市垂水区

西馬込動物病院東京都大田区西馬込

日本ペット診療所千葉県旭市上永井

猫専門病院(ネコペディア)Tokyo Cat Specialists東京都港区三田

ひなた動物病院横浜市青葉区

ユーミーどうぶつ病院千葉県佐倉市王子台

費用

猫には助かってほしい。

でも、費用は気になる・・・

まず、できるだけ早い段階で治療を始めた方が、費用は安く済みますし、治癒率は上がります。

また、ウェットタイプのFIPの方が、比較的費用は安く済みますし、治癒率も上がります。

ドライタイプで、神経症状が出ていると、難しいかもしれません。

なので、病状によって費用は変わってくるのですが、

XraphconnやCFNを使っているところでは、60万~200万円くらい、

GSを使っているところでは、GSのメーカーにもよるのですが、50万~100万円くらい、

モヌルピラビルを使っているところでは、30万~40万円くらい、でしょう。

検査費用は、別途かかります。

念のため、動物病院へ連絡して、あらかじめ費用を聞いておくと安心です。

いずれにしても高額ですが、打つ手があるならなるべく早く治療を開始してあげたいですね。

各治療薬詳細

Xraphconn(ラプコン)(経口薬)

Mutian(ムティアン)社が製造していましたが、現在、薬品名がMutian(ムティアン)から Xraphconn(ラプコン)に代わっています。

有効成分であるMT0901の分子式はGS-441524と同じであるとされています。

次のCFNが出始めてから、少し治癒率が悪くなったという意見もあります。比較的治験データが多い薬品です。

CFN(Chuanfuning(経口薬))

Mutian社に勤めていた人が独立した会社で作っているもので、製造方法・内容は Mutian社のものと同じと言われています。

使用されている病院によっては、Xraphconnよりやや有効とのデータもあります。

治験データが比較的多い薬品です。Xraphconn同様、GS-441524を有効成分としています。

GS-441524(経口薬・注射薬)

ギリアド・サイエンシズ社が開発した薬品ですが、製剤化されていません。

しかし、現在いろんなメーカーから「GS」「GS-441524」製剤としてネットなどで販売されています。

メーカーにより品質の差が大きく、ギリアドの特許侵害の可能性も示唆されています。

治療データの多い動物病院で、どのメーカーが信頼できるか、相談するのがいいでしょう。

この3種類は、品質に差があるものの、同じ働きでFIPに効果があります。
(RNAを複製する酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を抑える)治療開始時期・ウェットタイプ/ドライタイプの違いなどの条件や、病院によるデータに多少の違いはありますが、3ヵ月前後の治療期間で、治癒・寛解する率は80%前半~90%前半のようです。

モヌルピラビル(経口薬)

アメリカのメルク社がヒトのCOVID-19の治療薬として開発したものですが、社会的な緊急性から、いくつかのジェネリック会社と契約を結び、低価格で販売できるようにされているものです。

ヒトでのデータも十分ではないと言われていますが、猫のFIPに対する治験データはまだあまりなく、

副作用についてや治癒・寛解後の再発率・後遺症についてはわかっていません。

しかし、上記のGS-441524系3つの薬品と比較すると、かなり安価(1/3程度)に入手できるので、

他の薬品と組み合わせたりして、今後成績が上がることを期待しています。

この薬は、ウイルス複製時にエラーを起こさせることによって、ウイルスの増殖を抑えています。

GS-441524系の薬と作用機序が異なる点も期待したいところです。

治療開始時期・ウェットタイプ/ドライタイプの違いなどの条件や、病院によるデータに多少の違いはありますが、

86%前後の治癒・寛解率のようです。

レムデシベル(注射薬)

ギリアド・サイエンシズ社が開発した、GS-5734というコード名のRNA複製酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を抑える薬です。

これは、体内でGS-441524に変化するプロドラッグなので、働きはGS-441524と同じです。

ただ、注射薬であることや、データが少ないため、FIPに使用されている病院は少ないと思われます。

治癒率については、確認できる資料が見つかりませんでした。

注射薬なので、経口薬が飲ませられないほど重篤な状態に使用し、改善してきたら経口薬に切り替える、といった使い方ができるかもしれません。

 

猫ちゃんの、一日も早い回復を願っています。

FIP(猫伝染性腹膜炎)原因と症状・検査と診断・治療の展望

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