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ひと昔前までは、猫は自由に家を出入りし、犬は鎖につながれ、庭先の「犬小屋」で寝るのが普通でした。
今は、猫も犬も「室内飼い」が普通です。
そして、犬はほぼ毎日、リードにつないで散歩するのが飼い主としての、義務と考えられています。(小型犬は、室内の運動だけでも十分な場合もあります。)
時には、ドッグランなどで走り回ったり、フリスビーやアジリティを楽しんだり、ドライブ好きな子もいますね。
では、猫にも散歩が必要なのでしょうか?
動画などで、飼い主と一緒に散歩だけでなく、キャンプや旅行を楽しんでいる猫を見ると、うらやましくもなるし、運動させてあげなくてはいけないのかな、と疑問に思ったりするかもしれません。
結論からいうと、猫次第ですが、できることなら外へ出さない方がいいです。
どうしても、外へ出なければストレスが溜まって、鳴き続けるとか、出られそうなところをガリガリひっかくなど、飼い主にとってもつらい状態の場合は、
準備を整えてから、一緒に外へ出るようにしましょう。
散歩の準備については、あとで述べますね。
何故、猫に散歩は必要ないのか?
オオカミや犬はもともと、群れで獲物を追って長い距離を走っていました。
一方ネコ科の動物は、単独で物陰に隠れて獲物を狙い、短時間で仕留めるハンターでした。
犬と違って猫は、長時間・長距離の運動をしない動物なのです。
立体的な運動スペースと、短時間の俊敏な遊びで、必要十分です。
外の世界を知らないなんて、かわいそうと思うかもしれませんが、
外の世界は、危険がいっぱいです。
大切な猫の健康と長生きを願うなら、外へ出さないことが必須です。
外にはこんなに危険がいっぱい‼
①交通事故:昭和半ばから、自動車の数・交通量は飛躍的にふえました。一時期、道路で猫の轢死体を目にすることが日常でした。この頃は、外猫が減ったので、目にする機会が減ったのは幸いです。
②喧嘩によるケガ:オス猫の喧嘩は、非常に激しいです。ヒトが下手に仲裁に入ったら、ヒトも大けがするほどです。猫では、耳が裂けたり、目に傷を負ったり、傷が化膿して命にかかわることも、あります。
③迷子・帰れない:強い猫に追われ、逃げているうちに、家からどんどん離れていき、帰りたくても帰れなくなることがあります。
④病気をもらう:猫白血病、猫エイズ、猫カゼ、猫パルボ、猫コロナ(猫伝染性腹膜炎FIPに変異することがある)、などの感染症にかかる機会が増えます。
⑤ノミ、マダニ、疥癬、耳ダニ、シラミ、などの外部寄生虫に感染する機会が増えます。家に持ち帰られると、ヒトにも被害があります。ノミ、疥癬、シラミもやっかいですが、近年、マダニから感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が、猫から人へ感染した症例が報告されてニュースになりましたね。
⑥回虫、鉤虫、条虫、コクシジウム、トリコモナス、ジアルジア、などの内部寄生虫に感染する機会が増えます。中には、ヒトへ感染するものもあります。
散歩が必要かどうかは、猫の生育環境と性格で判断しよう。
あなたの猫にとって、散歩が必要かどうかは、
あなたの猫が、あなたのもとへ来るまでに、どのような環境にいたか、で変わってきます。
①ペットショップで購入した。
②知り合いの家で生まれた子を譲ってもらった。
③子猫の時に、拾った。
④繁殖引退猫をもらった、または購入した。
⑤保護センターや動物病院などにいた子猫をもらった。
⑥保護センターや動物病院などにいた成猫をもらった。
⑦家の近くの「のらねこ」だったが、だんだん家に居ついて飼うことになった。
①~⑤の、外の世界を経験したことのない子にとって、外の世界は恐ろしいところで、散歩に行きたいと猫自身思っていません。
そのまま、家の中だけで過ごすのが、猫にも人にも安心です。
⑥のいわゆる野良猫だった猫は、外の世界を知っているので、
外へ出たいと言うかもしれません。
しかし、このタイプの猫は、まず人に慣れることが必要ですので、
絶対に外へ出してはいけません。
外の世界を知っていても、あなたの家のまわりは前の環境と違います。
外へ出たとたん、物音などのわずかな刺激でパニックになり、
突っ走り、戻ってくることはないと思ってください。
交通事故にあうかもしれません。
どこかから転落するかもしれません。
どんなに懇願されても、外へ出してはいけません。
いちばんやっかいなのが、⑦のもともと近所の外猫だった子が、家に居ついた場合です。
すぐ目の前に、見知った外界があり、今までそこで暮らしていたのですから、
あたりまえのように、自由に出入りすることを要求するでしょう。
「出たい!出たい!」
と鳴き続けられると、猫も人も疲弊してしまいます。
また、わずかなスキを狙って脱出されるかもしれません。
私は、猫の「出して!」要求に負けて、過去に二匹の猫を失いました(泣)。
また、猫の性格により、家の中だけでは満足できない子もいるかもしれません。
好奇心が旺盛で、窓から外を眺めて隙あらば出たそうにしているタイプ。
あるいは、実際に飛び出してしまう子です。
こういうタイプの猫と、先の⑦の元近所の外猫は、
猫と人の妥協案として、「一緒に散歩」するしかないかもしれません。
でも、決して「猫だけで散歩」はさせないでください。
次に、準備と方法をお話しします。
猫と一緒に散歩するための準備と方法
【準備】
①避妊手術・去勢手術を行ってください:発情は、雄猫にとっても雌猫にとっても理性をなくす要素です。猫が外へ出ずにはいられない欲求に駆られる理由のひとつですし、喧嘩や事故・迷子の大きな原因です。
②マイクロチップを装着してください:万が一迷子になった場合に、発見の一助になります。
③外部寄生虫の予防をしてください:草むらに入ると、ノミ・ダニ・マダニ・蚊などが、付いてきます。(予防方法については、また、別の機会にお話ししたいと思いますが、動物病院にご相談ください。)
④体に合ったハーネスと1.5m~2m程度のリードを用意し、家の中で装着し、何日かかけて慣れさせてください。チュールなど、好きなおやつをご褒美にあげるのもいいかもしれません。最初はハーネスだけ、慣れたらリードを付けてみましょう。なお、長すぎるリードは、外へ出たとき絡まって危険なので、注意してください。(猫のハーネスおすすめ)
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猫にハーネスとリードを付けて、玄関からあるいは庭から、少しずつ外へ出てみましょう。
無理に連れ出そうとせず、猫のペースで周りを確認させてください。
猫が何かに驚いても、人は落ち着いて、決してリードを離さないよう、心がけてください。
家に帰ってきたら、足の裏を拭いて、(自分で舐めようとしますが、内部寄生虫の卵などが付着することもあるので)
被毛をブラッシングして、外部寄生虫がついてないか、確認しましょう。
予防薬を付けていたら、付着することは少ないですが、もしマダニをみつけたら、無理に取ろうとせずに、動物病院で取ってもらってください。
まとめ
1.猫に散歩は必要ありません。犬のように長距離を走る動物ではないからです。
2.家の外には危険がいっぱいあります。事故・病気・ケガ・行方不明・害虫の寄生など。
3.それでも、どうしても外へでなければならない場合、準備をしてから。避妊・去勢手術の実施、マイクロチップの装着、寄生虫の予防、ハーネスとリードに慣れさせる。
4.猫のペースで少しずつ外へ出てみる。
5.帰宅したら、お手入れと、体のチェックを。
安全で楽しい、猫ライフをお楽しみください。